テラの守護者(6)『告白 G side』





ここは水の祠の入口――――
ようやく『水面の鏡』を台座に置いたガーネットとエーコが外へ出て来た。
間もなく日が沈もうとしている時刻だった。
「やっと外の空気が吸えるのね! まったく・・・・・・レディにあんなバケモノの相手させるなんて、ジタンたら・・・・・・。」
エーコが愚痴を言った。
ここに来たいと言ったのはエーコ本人であることはすっかり忘れている。
ガーネットがそれを指摘しようとしたがその前にエーコが大声で叫んだ。
「あーーーーーっ!!」
「どうしたの、エーコ?」
エーコの突然の大声にガーネットは驚いた。
「肝心なことを忘れていたわっ! せっかくダガーとふたりきりになれたのに!」
「な、なに?」
「どぉ〜〜〜っしても聞いとかなきゃいけないことがあるの! ずうっと、ずうぅっと、聞くチャンスを待ってたの! ぜったいぜったい正直に答えてね?」
エーコはまくし立てた。
「だからなあに、エーコ? 答えるにも聞かなきゃ・・・・・・。」
ガーネットはエーコを何とか落ち着かせた。
するとエーコは少し恥ずかしそうに俯きながら言った。
「・・・・・・ジタンのこと・・・・・・スキ?」
「ど、どうしたのいきなり・・・・・・?」
驚きのあまりガーネットは思わずエーコから体ごと顔を背けた。
「だぁめっ! ちゃんと答えて!! スキ? キライ? どっち?」
ガーネットは答えないまま俯いてしまった。
これはジタンとガーネットの仲がなかなか進展しないことを心配したエーコが無理矢理にビビも誘って計画したことだった。
一度、自分の気持ちを口に出してしまえば、お互いが相手のことをもっと意識することができ、
いくらエーコ曰く『ニブチン』の二人でも少しは仲が進むのではと考えたからだった。
また、ガーネットの本音を聞けば自分のジタンへの想いに決着を着けられるとも思ったのだった。


しばらくの間、二人は無言だった。
しかし、飛空艇のエンジン音が聞こえたためエーコは空を見上げた。
「あ、飛空艇だ! ジタンが迎えに来てくれたんだ!」
ジタンの乗ったヒルダガルデ3号が着陸しようとしていた。
「・・・・・・。」
と同時にガーネットが言葉を紡いだ。
「え、今ダガー何か言った?」
ガーネットの言葉は小声過ぎたため、飛空艇のエンジン音にかき消されてしまったのだった。
「さ、行きましょ、エーコ!」
ガーネットは飛空艇へと歩き出した。
「ちょっと待って、ダガー! そんなのずるいよぉ〜〜!!」
そう言いながらエーコはガーネットの後を追いかけていった。
結局、エーコの作戦は失敗に終わった。
しかし、残念ながらエーコは気付かなかった。
飛空艇へ歩いていったガーネットの顔が夕日以上に赤く染まっていたことに――――



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