Gaia Times
180?年 4月23日
アレクサンドリア地下小劇場を徹底取材!
 あなたはアレクサンドリア城下町の裏通りにある地下小劇場をご存知だろうか?
 この小劇場は、あの大戦が起きた年に現オーナーのアシュリー氏と、人気劇団タンタラスの女優ルビィさんが共同で開いたのだが、役者不足と、あの『滅びの日』に街全体が破壊されたため、一年目はほとんど客足が無く、一時は閉鎖寸前にまで追い込まれていた。
 しかし、復興と共に徐々に客足も伸び始め、今ではアレクサンドリアで知らぬ者がないほど多大な人気を集め、連日押すな押すなの大盛況を博しており、収入も数十倍に膨れ上がったとか。
 また元ザルヴィックスの人気俳優ロウェル・ブリッジス氏を始め、大戦で職を失った役者たちも多く集まってきており、役者不足に悩まされることもなくなったそうである。
 もっとも、アシュリー氏は「役者が増えすぎて、いつも配役を決めるのが大変です」と現在新しい悩みを抱えているようだ。


休演日の小劇場の様子
休みでもこのように賑やかなため、訪れる人が後を絶たないとか
(なお、ブランク氏はこの日から3日間行方不明になったらしい)
画:むふふ絵チャット隊
大人気の理由とは?
 この小劇場が大人気の理由は、城下町が舞台のラブコメを始めとした大衆向けの喜劇が多く上演されているためだろう。なぜなら一般市民の多くは、かの有名な『君の小鳥になりたい』や『星に願いを』に代表される貴族向けの恋物語よりも、人情味溢れるコミカルな芝居の方に共感を持つからだ。他にも、リンドブルムで女の子のアイドル的存在であったロウェル氏が在籍していることや、劇団タンタラスの役者やジタン・トライバル氏などの有名人が時折友情出演することも人気の理由であろう。そのため現在上演中の劇も満員御礼の大盛況となっている。なお、これは未確認情報であるが、ガーネット女王陛下も近々お忍びで出演されるらしく、劇のチケットは現在完売となっている。
劇団員紹介
 アシュリー・レウァール:小劇場オーナー。酒場『明けの明星亭』の主人だったが、誰でも楽しめる大きな劇場を作るという昔からの夢を実現させるため、店の経営権を知り合いのマギーさんに譲り渡し、裏通りにその第一歩として小劇場をオープンする。

 ルビィ・キサラギ:小劇場で一番人気の女優。役者を目指してリンドブルムに上京するも、独特の訛りと勝気な性格のためにどこの劇団でも入団を断られる。このまま田舎へ帰るわけにもいかず、今後の生活を考えていたところをジタン氏とブランク氏に誘われ、まだ無名だった頃のタンタラスに入団する。その後、女優としての才能を開花させ、『君の小鳥になりたい』ではコーネリア姫を見事に演じきり、観客全員から拍手喝采を受ける。1800年のアレクサンドリア公演の際、城からの砲撃により劇場艇から振り落とされ、酒場で途方に暮れていたところをアシュリー氏に誘われて小劇場での活動を始める。現在はタンタラスと小劇場での活動を掛け持ちしているが、いずれはどちらか一本に絞る模様。

 ロウェル・ブリッジス:リンドブルムの劇団ザルヴィックスの人気俳優。トレノで生まれ、リンドブルムで育つ。2枚目を超えたスーパー2枚目との評判で、その甘いマスクと美声のために特に女性ファンから支持されていたが、あの大戦によって劇場が破壊され劇団も解散となってしまう。そして今後の活動場所を探していたところ、ジタン氏に紹介されて小劇場で活動を始めることになる。実は台詞を覚えるのが苦手でザルヴィックス時代もカンペを見ながら役を演じていたらしいが、ルビィさんのスパルタ指導の末、今では名実共にスターへの道を歩み始めている。大戦中、一時消滅していたファンクラブも復活した。ちなみに、ファンの女の子とは違って真剣に自分に接してくれたルビィさんに恋心を抱いているらしい。

《おことわり》
(役者の人数が多いため、オープン当時のメンバーのみにさせていただきました。ご了承ください)
ルビィさん危機一髪!!
 数日前の夜、小劇場での上演を終えたルビィさんがリンドブルム行きの最終便に間に合うよう夜道を急いでいたところ、いきなり物陰から飛び出してきた複数の男たちに腕を掴まれてチョコボ車に連れ込まれそうになっていたことが判明した。幸いにも帰りが遅いのを心配して迎えに来ていたブランク氏が駆けつけ、男たちは全員叩きのめされたため大事には至らなかったが、しばらくの間ルビィさんはショックから立ち直れなかったらしい。城下町では一時熱狂的なファンの仕業かと噂されたが、後の調べで身代金が目的であることが判った。なお、今後ブランク氏は、ルビィさんからの強い要望で彼女のボディーガードを引き受けることになった。さらに、ルビィさんも護身用に鞭を常時携帯することにしたらしい。
 だが一部情報によると、ブランク氏はルビィさんに想いを寄せているらしく、ボディガードを引き受けたのもそのためだとか。今後ロウェル氏との三角関係が注目される。
【お知らせ】
 
実話を基にして描かれた心ときめくラブ・コメディー♪
 差出人不明の恋文が巻き起こす愛と感動の物語です。
人気役者ブランク&ルビィ主演の
『ラブレター狂想曲』大好評上演中!!

【スタッフ】
原案:エーコ・ファブール
脚本:セイア・ゼフィランサス
構成:アラズラム・G・S
演出:タケオ・ハギワラ
舞台美術:リュート・アプリオリ
宣伝美術:カナコ・リーブラ
衣裳カリ・イノガミ
メイク:ケイ・クリムソン
音響:ラヴ・レイダース
制作協力:MU FU FU

【出演】
王宮騎士:ブランク・コール
女将軍:ルビィ・キサラギ
恋する女の子:エーコ・ファブール(特別出演)
盗賊団首領:バクー・シャーウィズ(友情出演)
盗賊A:シナ・ポレンディーナ(友情出演)
盗賊B:マーカス・ポール(友情出演)
兵士A:ジタン・トライバル(友情出演)
兵士B:ロウェル・ブリッジス
船着場の女兵士:ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世(最終日のみ特別出演予定)
大ハプニング発生!
 『ラブレター狂想曲』は連日大盛況のうちに先程幕を閉じたが、なんと主役二人のモデルであるスタイナー隊長とベアトリクス将軍が突如出演するという嬉しいハプニングがあった。劇場側の説明によると、主演のブランク氏とルビィさんが急に体調不良を訴えたためガーネット女王陛下が出演を命じたらしいのだ。練習無しの出演にスタイナー隊長もベアトリクス将軍も困惑していたものの、さすがは本人ということもあって見事に役をこなし、ラストの城外でのキスシーンも何とか演じきり、観客からは大きな拍手喝采が送られた。
【速報】
 驚くべきことにブランク氏とルビィさんは本当は仮病で、スタイナー隊長とベアトリクス将軍の出演は、彼らの仲がなかなか進展しないことを心配したある人物が計画したものであるということが、閉幕後すぐの取材で明らかとなった。結果としてこの計画は大成功だったと見られているが、今後立案者の安否が気遣われる。
 なお、ジタン・トライバル氏とガーネット女王陛下の二人が閉幕直後から行方不明となっている。どうやら身の危険を察していずこかへ逃亡した模様。
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