Gaia Times
180×年12月26日
謎の怪人マンダクロース現る!
 クリスマス・イブの24日から翌日にかけ、アレクサンドリアとリンドブルムの城下町に謎の怪人が出現した。目撃者の証言によると、その怪人は身の丈2メートルもある大男で、燃えるような焔色のヒゲが特徴で、返り血を浴びたような赤い衣服に身を包んでいるという。今のところ、怪我を負わされた者はいないが、凶器で脅されたり、所持金を奪われるなどの被害が出ており、両国では怪人の追跡に全力を挙げている。特にリンドブルムでは、シド大公殿下が被害に遭われたこともあり、捕らえた者には20万ギルという大金が与えられるとのことだ。なお、怪人は自分の事を『マンダクロース』と名乗っている。
その正体を探る!
 シド大公殿下を襲ったことから、彼に恨みを持つ者だとも、治安を乱そうとする不穏分子だとも、単なる愉快犯とも噂されており、今のところハッキリしていない。ただ、子供たちからは大人気であるらしく、早くも『暴れん坊のマンダクロース』なる替え歌が流行しているらしい。

各地で目撃されたマンダクロース。その正体はいったい何者か?
画:焔愛好家の皆様(一陽、みずのえ、tsan)
行動記録
 寄せられた情報を元に、24〜25日にかけてのマンダクロースの行動を追ってみた。

1.24日午後5時過ぎ、アレクサンドリアの城下町で寒さに耐えながら、ケーキをタダ同然の金額で売る姿が目撃された。売られたケーキは城の厨房でこしらえたもので、「今年は多く作り過ぎて困っていたアル。ムダに捨ててしまうより、ミンナに食べてもらう方が嬉しいアル」と、販売を依頼したクイナ料理長は大層喜んでいた。

2.同日午後8時過ぎ、シド大公殿下がリンドブルム工場区の酒場に行く途中で襲われた。鋭い爪を突きつけられ、「
金持ってんだろ? 飛べよ、カエルだった頃を思い出してな!!」と威圧たっぷりに脅され、持っていた現金5000ギルを巻き上げられた。護衛もおらず、殿下は背筋が凍る思いだったそうだが、ヒルダ妃は「おかげで家族水入らずでクリスマスを過ごすことができました。これで主人も少しは夜遊びを控えると思いますわ」と、むしろ犯人に感謝するような口ぶりで、そしてエーコ公女も何やら意味ありげな笑みを浮かべていた。この他にも、飲食代を脅し取られて真っ直ぐ帰宅せざるを得なかった被害者が多数出ているが、家族にとっては嬉しい限りだったようだ。なお、不思議なことに奪われたギルは、翌朝被害者の家に全額返金されている。

3.25日午前0時過ぎ、突如リンドブルムの孤児院に姿を現し、袋に詰めていたオモチャやお菓子を子供たちの枕元に置いていった。実は、毎年来てくれるサンタが風邪をひいてしまい、今年はどうするか困っていたところ、彼が急遽代役を買って出たらしい。なお、これを最後にマンダクロースの姿を見た者はいないようだ。本物のサンタは、「ヘブション!」という独特のクシャミをしながら現在療養中である。

(番外).25日午後6時頃、リンドブルム巨大城で開かれたエーコ公女主催のクリスマスパーティーで、マンダクロースと非常によく似た人物が目撃された。赤い帽子を所持していたため一時は重要参考人として連行されかけたが、公女がアリバイを証言したため逮捕は見送られた。なお、赤い帽子は友人のジタン・トライバル氏からの贈り物だという。
暴れん坊のマンダクロース
 本紙では流行の替え歌をここに掲載した。(この他にも数多くのパターンがあるらしい)
 
暴れん坊のマンダクロース 世界で一番の用心棒 殴っても強い 投げても強い だけどあだ名はサラちゃん 可愛いな 可愛いな サラちゃん
 
用心棒のマンダクロース シッポの男にハメられた スタコラサッサッサ スタコラサッサッサ 早く街から逃げろ スタコラサ スタコラサ スタコラサ
 
寂しん坊のマンダクロース 仲間ができてよかったね チャクラで回復 オーラで強化 だけどあだ名はサラちゃん 可愛いな 可愛いな サラちゃん
《お詫び》
 昨夜トレノで開催される予定だったクジャ・ガルヴァール氏のクリスマス単独ライブは、本人が50度という高熱を出したため急遽中止とさせていただきます。発熱の理由は、リハーサル中に水面に映る自分の姿に酔いしれるあまり、気でも触れたのか頭から水路に飛び込んでしまったためです。チケットを購入されてしまわれた本当に気の毒な皆様、並びにうまく騙された関係者の方々には深くお詫び申し上げます。なお、チケットの払い戻しは受け付けておりませんので、どうかご了承ください。お問い合わせは、アレクサンドリア城のジタン・トライバルまで―――(
ミコト
ヒツジッチ先生の歴史講座(8)
 ドクトル・コーラルとフレデリック・アーシュ
●コーラルは『
テラ記』を執筆した魔導学者、アーシュは宝珠の研究で名高い考古学者で、仲の良い友人同士だった。彼らは当時、世界最高の頭脳を持っていたと伝えられている。アーシュは自室に篭って文献を紐解く研究を主としていたが、アウトドア派のコーラルは単独で遺跡に赴き、自ら発掘調査を行う研究を主としていた。ある時、コーラルは何らかの方法で魔導器(グルグストーンと四枚の鏡)を入手。その未知の形態・技術に魅せられた彼は、以後その魔導器の研究に没頭。しかし、遂に魔導器の謎を解き明かすには至らず、そんな己の無知・無能さを呪い始め、魔導器が何者かの手によって盗まれると同時に人々の前から姿を消した。以来、彼の姿を見た者はなく、どこぞで野垂れ死んだとも、リンドブルム戦役で命を落としたとも、結婚して子供を儲けたとも、魔導器を追って異世界に旅立ったとも言われている。一方、アーシュは宝珠の研究で多くの成果を残し、晩年ナイトの位を授与されている。









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