1・劇場艇プリマビスタ(ゲームスタート時)
ジタン:『飛空艇の一室にて』
オレは今、タンタラスの仲間たちと一緒に劇場艇プリマビスタでアレクサンドリアに向かっている。
表向きはお芝居をするためだけど、本当の目的はアレクサンドリア王女のガーネット姫を誘拐するためだ。
王女の誘拐作業は単純なものだ。
芝居の合間に姫のティーカップに眠り薬を入れて、眠ったらプリマビスタに運び込む。
その後はどうするかまだ聞いていない。
と言うより、誘拐の目的すらまだ聞かされていないんだけどな。
だけど、ボスに限って間違ったことは絶対にしないだろう。
なぜそう言い切れるかって?
オレにとってボスは親父みたいなもんだからだよ。
オレはガキの頃にボスに拾われたんだ。
親に捨てられたのかって?
それは分からない・・・と言うか全く覚えていないんだ。
ただ・・・青い光が記憶の中にかすかに残ってる。
多分、それは故郷の光だと思う。
何年か前、一人であちこち探してみたんだ。
でも、結局見つけることはできなかった。
だから、その正体が何なのか今は分からないけど、いつかきっと――――
おっと、そろそろ集合時間だ。
ボスは時間にうるさいんだよな。
遅れた時のお仕置きも怖いし・・・。
それじゃあ、行くとしますか。
ところでガーネット姫って一体どんなコなんだろ?
『アレクサンドリア始まって以来の美姫』って言われてるんだからかわいいのは間違いない。
それとお姫様なんだから、やっぱりおしとやかな性格なんだろうな。
オレに惚れてくれないかなあ〜。