Gaia Times
1806年 2月2日
特集! 『BOW』の秘密に迫る!
 昨年から民衆の間で英雄視されている三人組『BOW』がまたしても大事件を解決した。先日リンドブルム領の村々を襲い、フォッシル・ルーの奥深くに逃げ込んでいた悪党一味を全員捕らえたのである。50人以上もいた一味を僅か三人で討伐したことで、彼らの名声はまたしても高まるものと予想される。なお、彼らにはシド大公から賞金30万ギルが授与される模様だ。
 ところで当局では、知られざる彼らの秘密についての情報を入手することに成功した。そこで今回は彼らの特集記事をお届けすることにしよう。

『BOW』って何?
 二年ほど前から名が知られるようになった
ガンナー時魔道士風水士のジェノム族の三人組の賞金稼ぎのこと。かつては黒魔道士の村で暮らしていたようだが、現在は各地を旅しながら何かを追い求めているようだ。ちなみに『BOW』とは三人のセカンドネームを合わせたもの。

世界各地で大活躍の『BOW』の三人。
画:(左から)ススム・ワタリ。アオミ・コバヤシ。タケオ・ハギハラ。
(↑いずれも『BOW』ファンクラブの会員である)
プロフィール
 ここでは三人のプロフィールを簡単に紹介する。

ミニウッド・B・ブルーティー(ガンナー)=黒魔道士の村で暮らしているうちに自我に目覚めたジェノムの一人。遺跡で発見された古代武器の『銃』を手にして戦い、その命中率は(ほぼ)百発百中。信じられない話だが宮殿にいるシド大公の髭を弾丸で削ぎ落としたこともあるとか。性格はワイルドである一方、かなり短気かつ単純で、キレると銃を地面に叩きつけて相手に掴みかかり、再起不能となるまでボコボコにするか被害者が百回謝るまで止まることは無い。特に彼を『
ミニーちゃん』と呼んだ者は死を覚悟すべきである。三年前、自我に目覚めて銃の腕前も上達したばかりの頃、村にやって来た悪党に彼にとって大切な女性を人質に取られ、助けようとして判断を誤った結果彼女を撃ち殺してしまい、しばらくして彼女への贖罪として世界中の人を助けるための旅に出た。他の二人より自己犠牲に走りやすいのも、モテるのに女性とはあまり関わろうとしないのも彼女への罪の意識からくるものであり、キレた時に自然に銃を両手から離すのもトラウマのせいである。怖い物なしに見えるが実はカエルが大の苦手。故にク族の沼にだけは近づくことを躊躇っている。一人称は『俺』。誕生月は8月。

バンブ・O・キャロッパーズ(時魔道士)=ミニウッドと同じように自我に目覚めたジェノムの一人。時魔法の使い手で戦闘においてはスロウやヘイストなどを唱えるサポート役に回ることが多いが、いざとなったらコメットやメテオなどの上級攻撃魔法で敵を殲滅する。しかし、まだまだ未熟なのでメテオは一回使用するのが精一杯。頭脳明晰で三人のブレインを務めているが、かなりねじ曲がった性格で他の二人(特に拳銃バカ)を見下すことが多く、普段はミニウッドにスロウを唱えてからかったりしている。ただし、彼を「
ミニーちゃん」とは決して呼ばない。毒舌ぶりはジェノム一とミコトに評されており、なんとあのルビィを口で泣かせたこともあるくらいだが、実際はジェノム一責任感があり、人一倍傷つきやすい心の持ち主。三年前、道に迷ったフリをした悪党を村に案内してしまったことを今でも後悔しており、それは今でも悪夢に魘されてしまうほどのトラウマとなっている。それは他の二人にもよく解っており、パーティーから外されないのもそのためである。ちなみに時魔道士を目指すようになったのは『三年前の事件』の後、時の流れを旅する伝説の呪法の噂を耳にしてから。彼は過去に戻ってあの悲劇を未然に阻止できることを夢見ているのである。一人称は『僕』。誕生月は4月。

エクステッド・W・アドバンス(風水士)=ミニウッドと同じように自我に目覚めたジェノムの一人。風水士であるため戦闘では自然の力を操って敵を倒すのだが、自然をこよなく愛する彼はそれを嫌っており、通常は斧を用いて戦うことが多い。ちなみに自然の力で仲間の傷を癒すことも可能。斧を武器にすることから判るとおり、細身ながら三人の中では一番の力持ち。よって荷物持ちを任されているが、彼は決して不満を言うことはない。彼は他人の役に立てることに大きな喜びを感じているからである。他の二人とは違い、まだ自我に目覚めたばかりであるためか感情表現はやや少ない……と言うより、何を考えているのか判らないことが多い。泊まった部屋を勝手に模様替えしてしまったり、これから行く方角の吉凶を占ったりなど日常生活にも風水を用いて二人を困らせることも。また、言葉遣いは丁寧なのだが普段の状態の時と興奮状態にある時のギャップが激しく、一度怒るとミニウッド以上の脅威となるとか。そんな彼の弱点は汚れた空気。彼曰く、「リンドブルムに三日も滞在していたら窒息してしまいます」とのこと。旅に同行した理由は、自らの外界への探求欲と、自我を刺激し育てるため。一人称は『私』。誕生月は11月。

三人の名前は各自自分で付けたものだが、何故この名前にしたのかは本人たちにも判らないらしい。
BOWが関わった主な事件
 世間の記憶にも新しい事件の一部を紹介する。

1.ベヒーモス脱走事件=トレノ貴族の観賞用に別の大陸から輸送されてきた希少魔物ベヒーモスが檻から脱走し、森の奥深くへと逃げ込む。生きたまま捕獲するためにBOWが雇われるが、倒すだけでもかなりの危険を伴うベヒーモスをどうやって捕まえるかが問題に。そこでバンブが思いついた策は、ミニウッドに餌を巻きつけて森の中を走らせるというものだった。その結果、作戦は大成功。森の出口まで誘き出したところをエクステッドが森の蔦を操ってベヒーモスを縛り付けたのだった。ちなみにミニウッドが巻き添えを喰らったのは言うまでもない。

2.亡霊事件=ピナックルロックスに女の子の幽霊が出没するという噂が立ったため、半信半疑ながら調査に向かったBOWだったが、本当にすすり泣く女の子の亡霊を目撃。恐る恐る話を聞いてみると、母親と離れ離れになって寂しくて泣いていたとのことだった。女の子をどうするべきか迷っていると今度は老人の亡霊が出現し、女の子を連れてどこぞへと消えていった。恐らく、老人が母親の待つ世界へと案内してあげたのだろう。夜が明けると、そこには小さな指輪が残されていた。ちなみにバンブは女の子が出てきた時点で気絶した。

3.VSタンタラス事件=ある貴族から、館に代々伝わる家宝を盗んだ盗賊団を討伐して欲しいと依頼される。当時タンタラスのことを知らなかったBOWは何の疑いも抱かずに飛行中のプリマビスタを急襲。その結果、両者引き分け―――というか、本格的な戦闘に入る前にたまたま乗船していたジタンが仲裁に入ったことで事態が収まる。話し合ってみたところ、タンタラスがBOWを雇った貴族の屋敷から家宝を盗んだ事実はなく、どうやらかつてタンタラスに懲らしめられたことを逆恨みしてのことだということが判明。貴族はBOWとタンタラスに前にも増して痛めつけられる結末となった。ちなみに、バンブがルビィを泣かせたのもこの時。それを見たブランクが「ちくしょう、俺も泣かせたことがないのに!」と大層悔しがったとか。
ヒツジッチ先生による歴史講座(6)
 
プルート隊三勇士
●1601年の第十五次リンドブルム戦役において活躍した三人の男性兵士アース、クロノス、ヘルメスのこと。第九次リンドブルム戦役以来アレクサンドリアでは女性部隊が台頭しており、彼らのような男性部隊は陰に隠れることが多くなりがちであったが、プルート隊長率いるこの9人の男性部隊は優れた統率力と結束力を内外に知らしめていた。その中でこの三人が特に称えられる理由は、第十五次リンドブルム戦役において死地に立たされた国王を重傷を負いながらも救出し、そして華々しい戦死を遂げたことと、この三人は何者にも引き裂かれない厚い友情で結ばれていたことが挙げられるであろう。(当時のプルート隊の構成員については後日に掲載する)









inserted by FC2 system