Gaia Times
1803年 9月21日
『鏡の国のダガー』本日発売!
 読者から発売を熱望されていた『鏡の国のダガー』が、本日午前10時に全国書店で一斉発売が開始された。
 この作品は、人気漫画家の亘莉ススムさんを中心に製作された絵本で、先月の発売以来、現在も爆発的人気を誇っている『
不思議の国のダガー』の続編。前作の発売時点ですでに製作が発表されていたが、作者の亘莉ススムさんの多忙なスケジュールにより、発売時期が大幅に遅れるのではないかと心配されていた。しかし、「ファンの皆さんの期待を裏切るわけにはいきません!」というススムさんの固い決意と、何かに取り憑かれたかのように寝る間も惜しんで制作したことにより、無事予定通りに完成させることができたそうである。
 現在全国各地の書店にはファンが殺到しており、先週発売されたFF7ACなど足元にも及ばないほどの熱狂振りに包まれている。
 なお、ススムさんは次なる作品として『
●ドデレラ』や『君の●ドになりたい』を製作することに意欲を見せているらしい。

絵本の一場面より
画:亘莉ススムさんほか、人気イラストレーターの皆さん
あらすじ
 今日はダガーの大好きなクリスマス・イブです。それなのにお父さんもお母さんもお仕事で忙しく、なかなか帰ってきてくれません。仕方なく仔猫のhei―――もとい、ジタンとお話をしながら遊んでいました。そうして空想を膨らませながら、ふと暖炉に掛けられてある鏡を見ると、いつもより透き通っていて向こう側に通り抜けられそうに思えました。そこで試してみたら本当に通り抜けられたのです。ダガーはそこで一組のジャバウォックからテラの文字で記された『
謎の予言書』を渡されます。そして城の外に出てみると、そこには不思議さを通り越した何とも奇妙な世界が広がっていました。その世界でダガーは小鳥に間違えられたり、可愛い双子の兄妹に出会ったり、鉄の卵から騎士の心得を教えてもらったりしながら予言書の謎を解いていくのでした。
主な登場人物
ダガー=このお話の主人公でとある国のお姫さま。クリスマス・イブなのに両親がなかなか帰らず、暇を持て余している。

仔猫のジタン=ダガーの飼っているイタズラ好きの仔猫。友達のいないダガーの唯一の遊び相手である。

赤の女王●●っこ=鏡の国を治める女王で、ゲーム(特にチェス)が三度の飯よりも好きなちゃっかり者。マスターの称号を持つ。ダガーに「お前が(チェス板の)八番目の列まで行くことができたら女王にしてやろう」と勝負を持ちかける。彼女には決して秘密を握られてはならない……。

歌う花のベアトリクス&フライヤ=城の庭に咲いている花(華)の精。ベアトリクスは少しうっかりした性格で、やって来たダガーを小鳥と勘違いしたり、後半では落ちていたラブレターをハンプティ・ダンプティ・スタイナーが自分宛に書いたものと思い込んだりしてしまう。一方、フライヤは歌が下手なのを悩んでいたが、ダガーに踊りを褒められて嬉しさのあまり空高く舞い上がってしまう。

双子のビビとエーコ=四番目の列で出会う双子の可愛い兄妹。大工のサラマンダーとセイウチのクイナの物語を語った後、無理やりダガーの旅に同行する。

ハンプティ・ダンプティ・スタイナー=六番目の列で出会う卵のような丸い身体をした騎士。卵以上にブリキの人形に間違われることをひどく嫌っている。後半では花のベアトリクスと種族間を超えた恋に落ちる。ちなみに卵の殻は鉄の強度を誇る。

大工のサラマンダー&セイウチのクイナ=ビビとエーコが語る物語の中に登場する人物。牡蠣を食べれば強くなれるという同僚のラニの嘘を信じ、牡蠣を海から誘い出すことをセイウチのクイナに持ちかけるが、クイナは「カエルのほうがおいしいアルよ」と無視。仕方なく代わりにスタイナーの鉄の殻を割って経験地を得ようとするのだが、経験地は1しか入らなかった。

赤の騎士K=七番目の列でダガーを捕まえに現れるナルシストな騎士。「これでキミは僕の小鳥だ!」と叫んでダガーを攫おうとするが、間一髪で駆けつけた白の騎士にボコボコにされて逃げ出す。ちなみに、本人は銀の貴公子として出演したかったらしい。

白の騎士Z=赤い騎士Kに攫われかけたダガーをチョコボに乗って鮮やかに救出した少年騎士。どこかで会ったことがあるような気がするものの思い出せないダガーだったが、別れ際「お別れに―――」と兜を脱いで唇を奪われた時にようやく彼のことを思い出す。

ジタン・トライバル=ガーネット女王の恋人。女王が夢から覚めた後、断りもなしに唇を奪ったことを咎められてしまう。実はジタンは女王と夢の世界を共有していた。
予言書の訳文
その黒き者 タタリをまとい タタリを操りて 世界を救う それが真のタタリパワーだ
その者 青き衣をまといて金色の野に降り立つべし 失われた大地との絆を結び ついに人々 を正常の地へと導かん

 この謎を解いた時、鏡の国は赤の女王の恐ろしい支配から救われるらしいのだが……。
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カクテルBAR『CAROPPERS』より
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国民投票のお知らせ
 今回霧の大陸全土において、歴史上初めてとなる国民投票を実施することになりました。対象事項は『モグネットの民営化の是非』についてです。これは決して他人事ではありません。国民一人一人がよく考えるべき問題です。皆さん投票にぜひ協力してください。
《特報》

『Compilation of FF7』に続き、なんとFF9でもプロジェクトが進行中!
その第一弾として『
Final Fantasy IX Dear Friends』が発売決定!!
さらに、本紙では内容の一部を独占入手することに成功!!!

◎物語の年代は1809年3月。
◎主人公は十六歳に成長したエーコ。

1.1800年2月6日。この日、多くの魂が星に還った。そして、たくさんの子供たちが家族を喪った。

???「おとうさん、おかあさん、死んじゃやだ!」

2.それから九年。あの大戦で活躍した八人の英雄の一人、エーコ・キャルオルはリンドブルムを治めるファブール家の養女として、幸せな日々を送っていた。
優しい両親の愛に育まれ、可愛い弟もでき、友達にも恵まれた。

エーコ:「昔からそうだったけど、あなたって本当に気弱なのねぇ。いつもあたしに助けられて恥ずかしくないの?」
カルロス:「だ、だって、痛いのはいやだし、あいつら強いし……」
エーコ:「あなた男でしょ、しっかりしなきゃ!」


3.しかし、エーコ十六歳の誕生日に事件は起きた。城に招かれた大勢の貴族に紛れて、何者かが幼いシド公子を連れ去ったのだ。

オルベルタ:「今のリンドブルム貴族は、公女派と公子派の二派に分かれかけているのです」
ジタン:「でも、エーコは―――」
オルベルタ:「確かにお二人の実子ではありません。しかしながら、アレクサンドリアでは……」


4.そして事態は流転する―――

エーコ:「あなたのことまで調べられてるのよ。もう、誰が味方なのか分からないわ」
カルロス:「……僕のことは疑わなくていいの?」

***

エーコ:「あなたの望みは何なのよ?」
謎の青年:「……お前の中にいる召喚獣の魂だよ」

***

謎の青年:「公女と召喚獣のことを調べ尽くした私が、お前を―――いや、お前の
愛する家族のことを調べていないとでも思ったのか?」
ジタン:「まさか……!」

***

謎の青年:「やはり、お前にはここが分かったか」
エーコ:「モグを……あたしの親友を返して!」
謎の青年:「やれるものなら、やってみろ」

***

謎の青年:「フフフ。頼りの仲間も、お前の親友が相手では攻撃を躊躇っていると見える」
エーコ:「みんな……」

***

謎の青年:「仲間たちと両親の最期を目の当たりにして、お前の心が砕け散った後であの世に送ってやる。そしてその次はアレクサンドリアだ!」

***

謎の青年:「お前も私と同じだろう? あの娘はお前から全てを奪った者の片割れ―――」
カルロス:「黙れ、それ以上は言うな!!」

***

カルロス:「でも……僕って本当、運が悪いんだよね。もし君のことをもっと早く知っていたら、絶対に好きになんかならなかったのに……」

***

カルロス:「君の言うとおり、僕と君は同じなのかもしれない。だから一緒に……逝きましょう
謎の青年:「待て! 何をするつもりだ!?」
エーコ:「いやぁーーーーっ!」

***

エーコ:「どうして……どうして、あたしの大切なお友達は、みんなあたしの前からいなくなっちゃうの……」


乞う御期待!!

ヒツジッチ先生による歴史講座(4)
 
エイヴォン卿
●霧の大陸では知らぬ者がないほど著名な500年以上前の劇作家。『
君の小鳥になりたい』や『星に願いを』など世に出た人気作品は数知れず。特に『君の小鳥になりたい』は後世においてかなりパロディ化されている。また物語の描写があまりに生々しいことから、「まるで彼自身の体験談のようだ」と評する声もあり、さらには、「これは創作ではなく歴史の闇に葬られた真実を記しているのではないか?」と唱える歴史家もいる。実際、貴族の位を授かったのはいつの事なのか、各作品を執筆したのはいつの事なのか、現在のところ全く判っていない。唯一ギザマルークのベルに手記が遺されているが、その内容は現存するどの作品にも記されておらず、さらに没になったというよりは自身の足跡に近いものが感じられる。また一部の研究家の間ではエイヴォンという人間など存在せず、作者不明の物語の数々が民衆や吟遊詩人の間で語り継がれていくうちに作り上げられていった想像上の人物とも考えられている。









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