ある日の昼下がり、アジトでの光景です。


マーカス:「兄キ、元気ないっスね。何か悩みでもあるんスか?」
ブランク:「マーカス、どうして俺はルビィより背が低いんだろうな……」
マーカス:「ど、どうしたんスか!? いきなり身長の話なんか……!」
ブランク:「(設定画集p26を突き出しながら)だってこれ見ろよ! どう見てもルビィのほうが背が高いだろ?」
マーカス:「まぁ……確かに……。けど、シナさんほど極端に低いわけでもないっスから、そんなに気にすることは―――」
ブランク:「なに言ってんだ、そこらのブラルビ絵を見てみろ! どれもこれも俺のほうが高く描かれてるだろ!?」
マーカス:「あ、兄キ、落ち着くっスよ(汗)」
ブランク:「もし本当のことが世の女性ファンに知られたらどうなると思う? 『
なんだ、ブランクってチビだったのね。何だかガッカリだわ』とか、『大体、露出狂なところはクジャとほとんど一緒じゃない。チビでツギハギだらけの変態って最低よ』とか言われるんだぞ! あんなジタンの兄貴と同一視されてたまるか!」
マーカス:「……そんなことは絶対ないと思うんスけど(^^;)」
ブランク:「とにかく、俺は身長を伸ばしてルビィに負けない男になる!」
マーカス:「本当の目的はそれっスか(苦笑)」


身長UP大作戦!



≪その1≫
マーカス:「とりあえず身長を伸ばすには、やっぱり毎日牛乳を飲むことが一番っスよ」
ブランク:「よぉし! ゴクゴクゴク…………」
マーカス:「兄キ! 最初からそんなに飲んだら……!」
 一時間後―――
バクー:「(トイレの扉をドンドンと叩きながら)ブランク、まだ出んのか!?」
ブランク:「(苦しそうな声で)も、もうちょっと待ってくれ……」
マーカス:「……まぁ、当然の結果っスよね(苦笑)」


≪その2≫
マーカス:「夜、寝る前にストレッチとかヨガとかすれば、背が伸びるって話を聞いたことがあるっス」
ブランク:「よぉし! 早く夜になれ、夜になれ、夜になれ……!」
 半日後―――
ブランク:「夜になれ、夜になれ、夜になれ、夜に……ちっとも夜になんねぇじゃねぇか!」
マーカス:「そりゃ、リンドブルムには夜のマップが用意されてないっスから」
ブランク:「くっ、RPGの宿命か……! こうなったら、ちょっと行ってくる!」
マーカス:「行くって、どこへっスか?」
 三日後―――
マーカス:「兄キ、しっかりするっス!(泣)」
ブランク:「マーカスよ……。俺は何か間違ったことをしたんだろうか……?」
マーカス:「間違いだらけっスよ! 年中夜のトレノに行って眠くなるまでストレッチをして、起きたらまたストレッチを始める生活を続けたら、筋肉痛や肉離れになるのも当たり前っス!」


≪その3≫
シナ:「さっきから何をしてるかと思えば……。よし、おいらが力を貸すずら」
ブランク:「力を貸してくれるのは嬉しいけど、何か名案でもあるのか?」
シナ:「それは翌日のお楽しみずら♪」
 翌日、シナの部屋に行ってみると奇妙な装置が完成していました。
マーカス:「シナさん、これは何っスか?」
シナ:「ふふふ、これぞおいらの新発明『
伸び伸び君1号』ずら! この機械の中に入っただけで身長が伸びるという優れものずら」
ブランク:「本当かぁ……?(疑惑の視線)」
シナ:「そう言うだろうと思って、ここにおいらの宝物『
ガーネット人形(等身大)』を入れてテストしてみるずら」
マーカス:「シナさん、そんなもの持ってたんスか!?」
シナ:「自分で作ったずら。ジタンに姫さんの身長体重スリーサイズを調べてもらって―――まぁ、細かいことはどうでもいいずら。それじゃ始めるずらよ」
ブランク:「ジタン、きっと今頃死んでるな(合掌)」
 スイッチオン!
伸び伸び君:「ガガガガ……ギギギギギギ!!!!」
ブランク:「お、おい、この機械本当に大丈夫なのか?」
シナ:「だ、大丈夫ずらよ。おいらの計算に間違いは―――」
伸び伸び君:「ドカンッ!!」
マーカス:「……終わったみたいっスよ」
シナ:「(かなり不安そうに)さ、早速開けるずらね」
 シナが扉を開けると、中から黒焦げ&バラバラの状態になったガーネット人形が出てきました。
ブランク&マーカス:「「…………」」
シナ:「……まぁ、天才でもたまに失敗することがあるずらよ―――って、二人とも何するずら!?」
ブランク:「うるせぇ、お前が入ってろ!」
シナ:「ずらーーーっ!!」


≪その4≫
ブランク:「やっぱり、身長を伸ばすのは無理なのか……」
マーカス:「兄キ、発想を変えてみたらどうっスか?」
ブランク:「発想を変える?」
マーカス:「兄キが伸びるんじゃなくて、ルビィに縮んでもらうんスよ」
ブランク:「なるほど! それで方法は?」
マーカス:「姫さんや公女さんに頼んで、ミニマムをかけるんス」
ブランク:「で、魔法の効果が切れたら俺はどうなる?」
マーカス:「怒ったルビィに殺されるっスよねぇ……」


≪その5≫
マーカス:「まぁ、他にも方法はあるっスよ。『いつでもヘイスト』を装備して兄キの成長速度を早めるとか」
ブランク:「たった一・五倍だろ? それに必ず伸びる保証はないじゃないか」
マーカス:「なら、ヒルダ妃さんに頼んで、モデル顔負けの背の高い姿に変えてもらうとか―――」
ルビィ:「でも元に戻るときは、その人から口付けを貰うわけやろ?」
マーカス:「そうなんスよねぇ……。いくらなんでも他人の奥さんからキスを貰うわけには―――って、ル、ルビィ!」
ブランク:「お、お前いつからそこに!?」
ルビィ:「シナが処刑された辺りから、ずっとおったけど(苦笑)」


≪まとめ≫
ルビィ:「さっきから聞いとったら、なんや! 全然悩むことないやないか!」
ブランク:「しかし、ルビィ……」
ルビィ:「背の低いこと馬鹿にしてくるような女は、ほっとけばええねん! うちは、そんなことでブランクのこと嫌いになんか…………
ならへんもん(赤面)」
ブランク:「ル、ルビィ、それってどういう―――」
ルビィ:「う、うちったら、なにアホなこと抜かしとんのやろ。もうっ!!」
 ルビィは恥ずかしさのあまりブランクを壁までぶっ飛ばしました(怖)
ブランク:「ぐはっ……!」
 一時間後―――
マーカス:「兄キ、壁に頭をぶつけたせいか身長が五ミリぐらい縮んだみたいっスよ」
ブランク:「ルビィ〜〜〜〜!!(怒)」
ルビィ:「か、堪忍なブランク(汗)」


 こうして、ブランクの身長UP大作戦は大失敗に終わりましたとさ。
 その後、彼の身長が伸びたかどうかは……これを読んでいるあなたのご想像に任せることに致しましょう(笑)



 
Fin





なんだこの展開は!?
設定画集でブランクの身長を知った時から、いつかこんな話を書こうと思っていたのですが……本当にギャグになってしまいました(^^;)
ほとんどブランクとマーカスの漫才だし、今回は台詞が極端に多過ぎだし!
とりあえず、彼の身長が伸びることを祈りましょう(笑)
関係ないですがブランクに謝ったり照れたりするルビィって、なかなかレアだと思いませんか?(^^)






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